2009年09月23日

プノンペン最終日、おまけの旅を終えて(2009年3月号)

人は、何を生き甲斐とか働き甲斐とか、幸せと思うのだろう。

英語を使う仕事から離れて、年明けから新しい職場で働き始めた。大好きな英語を仕事の道具にすることに限界を感じて決めたこと。しかし、自分の心の中は、英語力の衰えvs 英語ストレス・プレッシャーからの放免。来年、5年後…、自分はどうしたいのかな。そんなモンモンとした気持ちの中で今年はプノンペンへと旅立った。

2月23日(月)、プノンペンを発つ最終日。朝食後、ホテルからトゥクトゥクに乗って5分程のオールドマーケットに行った。生鮮食料品を多く扱うマーケットで、カメラを手に歩く観光客は、私達ぐらいだった。さばかれた鶏や豚が部位ごとに生々しく釣り下げられ、頭と身が切られても川魚はまだピクピク動いている。野菜や肉魚を切る刃物は、もう何年と同じ物を使っているのだろう。魚は昔のブリキ製の衣装ケースのような物に入れられて運ばれる。中古品のような雑貨や素材の劣る衣類も所狭しに店に並ぶ。

tanaka090301.jpg
(さばかれた豚の顔)
tanaka090307.jpg
(魚を入れるケース)



女性が多く働いている。少女達は、母親の側で働く姿を見て育ち、仕事や商いの仕方をじかに学ぶ。そしてこの子達がまた、ここで生きていくのだろう。


tanaka090303.jpg
(母親の側にいる女の子)
tanaka090304.jpg
(さばかれた鶏がぶら下がる)



過剰な包装もなく、地元の市場に足を運べば新鮮なものを毎日食せる。このマーケットが日々の冷蔵庫でありキッチンだ。週末にしかゆっくり買い物に行けない自分達の生活を思い出しても、新鮮な食材を手にできた時は本当に嬉しい。ここで買い物客と商売人の様子を見ると、日々の生活に時間の余裕が感じられ、幸せな光景に思えた。ブンブン、普通に生肉や野菜の上をハエが飛ぶし、止まる。止まればはたくだけ。確かに非衛生的な面もあるが、産地偽装などこのマーケットには存在せず、何となく安心する。5年後も10年後も、このまま変化しなくとも、彼らは必死に働き、一生懸命生き、活力に満ち溢れているのではないか。働かざる者食うべからず。働くことで命を頂いている。今更ながら思い返した。

午前中に発つ先生方を見送った後、プノンペンから1時間程北上し(ドライバーはかなり飛ばして走ったが…)、Oudong(ウドン)という古都に行った。いつものよう車を降りると子供達が付いてくるのだが、その中に、発音に癖のなく聞きやすく、そして日常会話を難なく英語でしてくる少年に出会った。あの田舎町で、この少年にここまでのきれいな英語を教えたのは誰だろうか。いや、彼自身が、観光客の英米人にしがみついて吸収したのだろう。そういえば昨年シェムリアップでであった子供達も、観光客から英語や日本語を聞き取り、自分でノートを作りガイドを自らしていた。英語の必要性を肌で感じているから、必死に身につけ、英語という武器をつかんだ。将来の可能性が広がるのを感じた。


tanaka090305.jpg
(509段の石段を上がる前は、余裕のスマイル)
tanaka090306.jpg



CamTESOLのプレゼンで発音訓練を辻先生と河野先生が行なった。プレゼンのタイトル「From ABC to XYZ」から、発音訓練が行なわれるとはカンボジアの先生方も思わなかっただろう。腹式呼吸、大きな口の動き、大きな発声。どれも初体験の先生方が多く、最初は恥ずかしがっていらっしゃった。河野先生が、自身も最初は恥ずかしかったが、身に付くと英語の発声がとても楽になった等と告白。カンボジアの先生方は、短時間の体験でも自分の発音やアクセントの変化に気づき、訓練の必要性を感じられていた。教室の外まで先生方であふれ、ハンドアウトは完売する盛況となった。辻先生にカンボジア人の英語の発音の癖を指摘され、しっかりとした英語の発音を学び教えたいと自覚した姿や、井川先生辻岡先生ペアのプレゼンで、英語教師としてのプロ意識を持つことを認識された姿。進む道が決まったかのように、先生方の顔は熱気に満ちていた。

マーケットで包丁さばきを武器に生きる人がいれば、CamTESOLで出会った先生方や独学で英語を身に付ける少年のように、英語を生きる武器にする人もいる。道が違っても、人は生きる為に働く。方向転換しても同じだろう。今の生活の中でも既に、得意な事や武器になりそうなものが誰にでも備わっているのだろう。それを自覚すると生きる糧となる、はず。そこにささやかながらでもプロ意識をもつ。すると自信と誇りで自分自身が武器になるのだろうか。井川先生が空港へ向かう車中、「I(アイ)+1(ワン)」という言葉を教えて下さり、物事を一つずつ乗り越え、自信や武器をひとつ、ひとつ、付けていきたいと改めて思った。今の私には、家庭でも秘書業務の仕事でも、「武器」になる為に鍛えてもらっている時期なのだろう。その武器とは、当たり前のようだが、「心身ともに笑顔で健康であること」。これが備わってくれなければ、相手の立場に立ちその人の為に働くなど控えた方がいいし、相手にも迷惑をかける。「笑う門には福が来る」ので、まずは笑顔で、一生懸命働こう。プノンペン帰国後、プロ意識を少しもつように心掛けると、誇りを持って働いているという意識が生まれるのか、日々の生活や仕事に働く喜びや幸せ、気持ちのゆとりを感じる。今年も、先生方と参加させて頂いた事に心から感謝致します。

posted by e-dream-s at 00:07| Comment(0) | 田中 恭子
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: